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Sentinel Attackアートの誕生秘話
2022年5月18日
現在開発を進めている最新作ゲーム『Sentinel Attack』は、90年代のゲームからヒントを得ました。 特にセガ『メガドライブ』ライブラリのゲームなどです。 すべてのゲーム内グラフィックにピクセルアートを採用し、オリジナルのサウンドトラックもセガ『メガドライブ』のサウンドチップ特性に合わせて制作しています。

当時のゲームボックスアートは、デジタル時代以前に描かれているため、非常に独特の味わいがありました。 そのアーティスト達の誰かに再び伝統的アートを創作してもらえたら、どんなに素晴らしいだろう? そういうアーティストはどこから見つけて来れば良いのだろう?

思案していたちょうどその頃、新しいドキュメンタリー『Video Game Box Art: The Stories Behind the Covers』(ビデオゲームボックスアート: カバーの背景にある物語)が公開されました。 まさにこのドキュメンタリーが、当時のベストアーティスト達を厳選し、彼らの芸術の背景にある素晴らしい物語を紹介してくれたのです。 その中で特に、私たちが考えているSentinel Attackの宇宙戦闘シーンによく合うポートフォリオを持っているアーティストが1人いました。 アーティストの名はロジャー・ラブレス。私たちに影響を与えたアート作品群に繋がる名前にようやく巡り会えたのです。 その作品群のゲームは私たちのライブラリにも多数並んでいます。





『Video Game Box Art: The Stories Behind the Covers』ドキュメンタリーのロジャー・ラブレスにインタビュー。
https://www.nacellecompany.com/catalog/video-game-box-art-season-1/ にアクセスして、シリーズを見ることができます。

ロジャーが過去の伝統的な手法を使って新しいゲームアート作品を制作することに興味を持ち、引き受けてくれる可能性はあるだろうか? 返事がもらえるかも分かりませんでしたが、とにかく彼にメールを送ってみました。 すると驚いたことに、それから2時間も経たないうちに、プロジェクトの詳細についてメールのやりとりをするようになったのです。

ゲームに登場する要素のアート初期案をいくつか添えて、ゲームの説明を送りました。 主に母船と複数の敵対勢力の初期外観です。 ロジャーが過去の作品例を多数見せてくれましたが、ほとんどが既にゲームボックスという形で私たちの棚に並んでいる作品でした。 その例の中から、私たちが求めるスタイルに最も合うものを決定しました。

このやりとりから間もなく、最初のシーンスケッチが届きました。 1つはヒーロー船が前を向いているもの、もう1つは後ろ向きで戦闘しているものでした。 私たちは1つ目のスケッチの前向きバージョンに決め、タイトル処理は2つ目のスケッチのものにしました。

スケッチでシーンが確定すると、最終ペインティングにとりかかりました。 このプロセス中は、様々な要素がシーンに描き込まれるたびに、最新の情報が送られてきました。

このようにして、Sentinel Attackの最終アート作品が出来上がりました。仕上がりにはこれ以上ないほど満足しています。



最近、このプロジェクトの感想をロジャー・ラブレス氏に伺ったところ、 次のようなコメントをいただきました。

「Sentinel Attackの仕事は、私自身の過去への楽しい旅でもありました。 イラストの依頼を受けた時の思考プロセスは、今も昔も変わっていません。 仕事の内容と何が必要かを詳しく確認してから、ラフスケッチを2、3枚描くところから始めます。 ですがこの作品は、25年前のスタジオにいる自分に戻り、若きイラストレーターのように考える機会を再び与えてくれました。

当時との唯一の違いといえば、紙と鉛筆の代わりに、現在はデジタルタブレットとスタイラスペンを使って描いていることぐらいで、あとはすべて同じです。 それからクレセントのイラストボード(No.100)を準備して、描画を印刷します。 その後、リキテックスのアクリル絵の具を使って色を塗り始めます。 これも昔と全く変わりありません。 Sentinel Attackを完成させながら、私自身の昔のゲームアートをインスピレーションとして使うことができたのは、楽しい体験でした。」
- Roger Loveless


ロジャー・ラブレス氏の連絡先および作品に関する詳細は、ラブレス氏のウェブサイト rogerlovelessillustration.com をご参照ください。