一見すると、実際のMLB選手を起用したこの野球シミュレーションは、見た目も音も申し分ない出来栄えだ。ホームプレート後方からの視点が、ピッチャーとバッターの対決の舞台をうまく演出している。ビジュアル面は非常に優秀で、デジタイズされたバッターモデルやスイングアニメーションは印象的だ。ピッチャーは投球前にグローブを叩き、ランナーがいる場面では塁に目をやる。ホームチームがヒットを打ったり得点を挙げたりすると、それまでくぐもっていた観客の歓声が一気に大きな盛り上がりへと変わる。審判のコールも鮮明でクリアに聞こえる。ボールがインプレーになると、野手がスムーズに走り、ジャンプし、ダイビングキャッチをするなど、守備プレーも見事にこなす。しかし残念ながら、いくつかの欠点がこのゲームを真の傑作たりえないものにしている。まずはテンポの問題だ。野球がゆっくりとした戦略的なスポーツであることは承知しているが、このゲームはさらにテンポが遅い。